2019/08/02
越後駒ヶ岳(2003m)日本百名山
越後駒ヶ岳(2003m)日本百名山
今回は新潟の名峰・越後駒ヶ岳に登ってきました。越後駒ヶ岳は新潟県の魚沼市と南魚沼市に跨る山で、奥深い地域にあるので雪も凄く、夏でも雪が多く残っています。近くにある二百名山の八海山と中ノ岳と併せ、越後三山と呼ばれているそうな。
今回はメインの登山口である枝折峠から登ってきましたが、標高差は1000mに満たないものの道中は長く、標準コースタイムは往復で11時間強。まあコースタイムに関しては少し長めに設定してあるようで、実際は9~10時間程らしいですが。距離は14kmと割と長く、日帰りは出来るものの長丁場な登山が大いに予測されます。しかも梅雨が明けて夏の暑さも本格化。予想最高気温は35℃とかで、夏の暑さも心配でした。なので早朝から登って早めに下山する作戦。
という事で朝の4時30分頃の枝折峠。関越道小出ICを降りてすぐ国道352号に入り、国道とは思えない、登山口に向かう林道のような道を進んでいくと枝折峠に到着です。標高は1065m。駐車場は30台くらい停められるそうです。人気の山で週末は路駐も起きるんだとか。トイレ有り。電波は4Gが1本入るか入らないか、もしくは3Gかって感じでした(docomo)。
ちなみにこのまま352号を奥に進んでいくと、自分が先日登った燧ヶ岳の登山口である御池や檜枝岐の方に抜けれます。道路の看板にも尾瀬50kmとか出てます。この先の銀山平~御池まではものすごい山道で、すれ違いも難しい林道みたいな道が50kmほど続くみたいです。この区間は酷道としても有名みたいだし、落石等で通行止めになることもあるとか。通れるかどうかは事前に確認しておくのが吉ですな。舗装はされてるみたいなのでそこは安心。
4時半過ぎにトイレの裏手にある登山道から進んでいきます。登山届とポストもあります。序盤は割と平坦な道。ベンチもありますがこれは観光の人用です。理由は後述。
向かって左側には、奥只見湖のある場所に雲が溜まってる。
途中で出てくる崩壊地。歩けないことはないですが、歩きづらいことは確か。慎重に進む。
高山植物もそれなり。これはクロズルという花らしい。
ノリウツギ。アジサイの仲間なのかな?
ヨツバヒヨドリ。
歩き始めて10分程。溜まっていた薄雲が溢れて決壊。稜線を越えてきた。
そして滝雲として流れていく。そう、ここ枝折峠は滝雲がよく見られる場所として有名で、この日も多くの写真家の人が撮影に来てました。この日の滝雲はそこまで凄くはなかったみたいだけど。
こんな感じで滝雲が良く見られる場所に看板が立っています。興味のある人は枝折峠まで行ってみてはいかがでしょうか?滝雲は早朝によく見られるみたいです。
リョウブの花。
滝雲ビュースポットを過ぎれば本格的な登山道に。代わり映えのない樹林帯を進んでいくわけですが、もう既に暑い!気温は20℃そこそこながら湿度が高くて蒸し暑く、しかも風もないから熱がこもる。朝から汗だくだくです。
そしてそれ以上に困らせたのが虫。個人的には小さい虫ならまあ我慢が出来るんだけど、親指の第一関節位の大きさのアブに追い掛け回されるとちょっと困る。頭の後ろを延々と大きな羽音を立てながら飛び回るので、最初は蜂かと思ってびっくりしたわ!序盤から終盤までずっとそんな感じで、休憩しようものなら虫に襲われ逃げ回る。暑さも相まってヘットヘトでした。
時々こうして視界が開けます。前方に見えるは大きな山。距離もあるし、最初は中ノ岳かななんて思ってたんだけど、実はあれが目指す越後駒ヶ岳。もうね、遠すぎる!しかも雲がかかってるし・・・。
山頂までの距離に辟易しながらも進む。この白い花はコメツツジかな?
辺りが明るくなったなと思って振り返ると、御来光でした。そういえば山から御来光を見るのは久しぶり。正月の筑波山以来かな?綺麗な真ん丸太陽でした。
高山植物も意外と多い。上がトリアシショウマ、下はエゾアジサイかな?わからん。
モミジカラマツ。カラマツソウと似ててわかりにくい。葉っぱがモミジの形に似ているのがモミジカラマツだそうです。
ちょこちょことアップダウンのある道を経て、分岐に。左に行けば越後駒ヶ岳方面。右に行くと銀の道を通って駒の湯方面に。銀の道というのは、近くの銀山平温泉から駒の湯まで銀を運んだ道ということから銀の道と名付けられたみたいです。
分岐の脇には枝折大明神が祀られる祠が。十合目と書いてあるのは、銀山平温泉から駒の湯までの間の一番高い場所だったからとのこと。越後駒ヶ岳はまだまだ先です。
祠から少しだけ歩くと明神峠に出ます。見晴らしはなかなか。右には百名山の越後駒ヶ岳、左には二百名山の中ノ岳が。越後駒ヶ岳に行くには、手前の道行山と小倉山を経由することになりますが、ここから先は細かいアップダウンが続いて地味に体力を奪われます。
後方には明るくなってきた空とうっすら雲海。
左手に見える山が二百名山荒沢岳。銀山平から登っていけますが、かなりの急登で、しかも鎖場やハシゴが連続する登山道だそうです。一応一般ルートではあるみたいですが上級者向けとのこと。怖いもの見たさで登ってみたいけど、いざ登ってみたら後悔しそう(笑)。
越後駒ヶ岳にも太陽の日差しが届いてきた。淡い赤に染まって綺麗。雲もどこか行ってくれるといいんだけど。
相変わらずの樹林帯を進む。ここから小倉山までは樹林帯です。
分岐。左に行けば道行山ですが、ここはスルーで。道行山は展望がいいそうです。
まだまだ遠い山頂。この尾根筋をずっと歩いていきます。大変だ。
特に代わり映えのない道なので飛ばして小倉山山頂へ。駒の湯コースとはここで合流です。駒の湯から来ても標準コースタイムはほぼ変わらないけど、駒の湯は標高400mにもみたないので登りは大変そうです。
そこからまた省いて百草ノ池に。景色は代わり映えなく、暑いし風もないし虫も多い。休憩も出来なくてキツかった・・・。
見上げると結構登る。まずは左手の前駒まで!
ハアハア息を切らしながら前駒に。ここから山頂までは1時間くらい。ようやく登頂が現実的になってきて一安心。風も通るようになって気持ちよかったっけ。日差しはありますがここでようやくザックを下ろして休憩。虫もそこまでいなくて快適でした。トンボも多くなってきたしね。
越後駒ヶ岳と中ノ岳。まあ越後駒ヶ岳の山頂はもう少し右なんだけど(笑)。中ノ岳までの稜線もアップダウンが多くて大変そうだ。
高山植物も植生が変わってきたかな。これはアキノキリンソウ。
シロバナニガナ。
こちらはハナニガナ。シロバナニガナの花が黄色いものをハナニガナと言うそうです。
前駒を出発すると見えてくる人工物。駒の小屋のアンテナだけが下から見えてます。あそこまで行けばまた休憩できる。それを目標に進んでいきます。休憩した甲斐もあって足が軽かったっけ。
前駒を過ぎると出てくるのがこの岩場のトラバースもどき。ステップはしっかりしているので怖くはないですが、下山の時は歩きにくかったっけ。マーカーもついているのでその通り歩いていけば安全でしょう。
ニッコウキスゲ。最近の登山でよく見るお花。登山道にはほとんど咲いてはいませんでしたが、斜面には群生している場所もありました。
ロープもある岩場を登る。ロープは使わずに歩けますが、慣れてない人は頼りにしてもいいかも。濡れてると怖そうな岩場です。
タテヤマリンドウ。
後ろを振り返ってみると、歩いてきた前駒と遠くに荒沢岳。この日は気温も高く湿度も高かったので、遠景は霞に霞んでいました。
駒の小屋のアンテナもすぐそこに。最後の岩場を登ればすぐ!
そしてようやく駒の小屋に到着。時間は7時30分過ぎで、枝折峠から2時間弱でした。標準コースタイムより3時間以上早くの到着。コースタイムが甘いのもあるけど、一番の要因は虫に追い掛け回されて休憩もほぼ無しで登ってきたからだと思われます(笑)。いやホントにしんどかった・・・。
駒の小屋は避難小屋で、宿泊料は管理協力金として2000円です。週末を中心に管理人がいるみたいですがこの日は不在。避難小屋なので食事の提供などはないみたいです。トイレはバイオトイレで協力金100円。行ってみればわかるけど、なかなか面白いトイレです(笑)。
小屋の前にはテラスがあります。天気が良ければ展望も良さそう。この日は霞んでて景色は微妙でしたが。
小屋脇には水場が。おそらく雪渓の雪解け水を引いてきてるんだと思います。じゃぶじゃぶ出てるけど夏になると涸れるそうな。そうなると片道3分の水場まで行く事になるみたいです。水が出てるかどうかは要確認。この水は冷たくて手がかじかむくらいでした。ガブガブ飲んだっけ(笑)。
初めて見た白い花。調べてみたけどよくわからない。ホソバコゴメクサ、ですかね?
小屋から山頂まではコースタイムで30分。おそらくもう少し早くつくとは思います。荷物を軽くしたい人は小屋にザックをデポしていくのもいいと思います。山頂は右側の山です。
この辺りからキンコウカがたくさん咲いてます。まだ満開ではないのかな?
小屋を見下ろす。地図にはテントのマークはないですが、どうやらテント泊も出来るみたい。ヤマレコ等でもそういう記録もあるし、実際にこの日もテントが張ってありました。その辺も小屋に確認を取ったほうが良さげ。テントが張れてもテン場は狭く、張れても5帳くらいですかね。
斜面に咲く黄色がかった白色の花。
コバイケイソウの群生でした。去年が全国的にもコバイケイソウの当たり年だったので今年はそこまで咲かないのかもと思ってたけど、越後駒ヶ岳は綺麗に咲いていました。
稜線の向こうには中ノ岳。霞んでるなぁ。
雪渓の上には山頂の標識も見えてきた。長く感じた越後駒ヶ岳もあと少し!
イワイチョウ。
ハクサンコザクラ。なんだかんだ見るのは今年初だな。
稜線まで出てくれば山頂は目と鼻の先。
あそこまで行けば山頂です。ナナカマドとかあったから、紅葉時はこの稜線も赤く染まって綺麗なのかも。
そしてようやく越後駒ヶ岳の山頂に到着!とにかくつらかった・・・。到着は8時だったから枝折峠から約3時間20分でした。誰もいなかったし登れた達成感からか、標識脇の鐘を鳴らしまくってしまった(笑)。越後駒ヶ岳は日本百名山の山で、標高は2003m。別名魚沼駒ヶ岳。
北側には越後三山の一角・八海山。世間一般的にはお酒の名前として有名ですが、もちろんお酒の名前の由来となったのがこの八海山です。
その八海山というと、残念ながら雲が邪魔してよく見えない。山頂部は切り立った岩場で、垂直に近い鎖場が連続するみたい。行ってみたい山ではあるんだけど、やっぱり鎖場は怖くてねぇ(笑)。
そしてこっちは中ノ岳方面。こちらも雲が邪魔でよく見えず。天気は晴れてはいるけど、展望という意味では少し残念。尾瀬方面も霞んでて何も見えずだし。
こっちは魚沼市方面。遠くにはうっすらと日本海も見えてる・・・のか?中央にある白っぽい線はなんだ?雲の切れ間かな?
山頂はそこまで広くはないですが、ベンチがたくさんあって休憩はしやすいです。ただ問題はやはり虫。山頂着いた瞬間からトンボは異常な程飛んでたんだけど、やっぱりアブやらブヨだかが飛んでて参った。景色も霞んでて微妙だったので、休憩もほどほどに下山することに。残念。
駒の小屋まで下りようとすると、雪渓に何か動物が。最初はでっかい犬かと思ったけどこんなところに犬がいるわけないし。シカかなと思ったけど色がおかしいし、シカだったらもっとシュッとしてるし。よくよく見ると、なんとカモシカ。カモシカを見るのは初めてだったから嬉しかったなぁ。近づくと逃げて行っちゃったけど、時折振り返ってこっちを見てました。
カモシカに遭遇したあとは駒の小屋に戻ってまた水をがぶ飲みし(笑)、そこからはカメラも締まって無言の下山。前駒までの岩場は下山時は少し厄介なのと、下に行けば行くほど天気が悪くなっていって展望は無し。しかし気温は上がって暑く、樹林帯は風もなくて蒸し風呂状態。そしてやっぱり虫に追い掛け回される。すれ違う登山者はみんなつらそうだったなぁ。
そして10時50分、ようやく枝折峠に到着。色んな意味でしんどい登山だった。コースタイムは往復6時間10分とか。かなり早く歩けたけど、実際は虫が多すぎてろくに休憩もできなかったからだったりする。下山時はほぼ休憩なしだったし。もう勘弁してくれ・・・。駐車場にはでっかい蜂もいるし。散々だ。
今回の立ち寄り湯は銀山平温泉の白金の湯に。入浴料は650円。洗い場は少ないですが広々とした内湯と2種類の露天風呂があり、中も綺麗。露天風呂は若干ぬるめでこの時期でも露天風呂に入っても全然つらくなかったです。ちなみに入口の上の部分が露天です。食堂等はないものの休憩室は広く、自販機も多数あるしおやつの自販機もあります。登山後にゆっくり出来るいい温泉でした。入った時は受付の人以外に誰もいなくて、文字通り貸切だったしね(笑)。
まっすぐ帰っても良かったんだけど少し寄り道。銀山平から奥只見シルバーラインを通って奥只見ダムへ。レストハウスがあってダムカレーを食べました。お土産屋もあります。奥只見ダムは少し上にあるのでそこまで登って行きます。自分は100円払ってスロープカーに乗ったけど(笑)。
数分で奥只見ダムに到着。麓の方は晴れていて素晴らしい景観です。
ダムの天端。この真ん中から奥は福島県です。行けないけど。
天気も良くて景色もいいです。ダム湖である奥只見湖もとても大きくて、貯水量はあの黒部ダムを凌ぐほど。遊覧船もあって観光も楽しめます。紅葉の名所らしいし、秋にでも再訪したいところ。この時期は暑くてね(笑)。
高さもすっごい。日本で5番目に高いダムだそうです。ぷらっと周っただけだけど、意外とダム観光も楽しいなとか思ったり。ダムも山奥にあるから登山のついでに観光できそうだし、景色もいいしで意外と相性がいいかもね。
とそんな感じで緩く観光してから帰ったのでした。
これにて越後駒ヶ岳は終了です。道中は意外と長いし細かいアップダウンも多くて大変でした。夏の暑さにもやられたし、虫の多さにはさすがに参った。天気は基本晴れてはいたけど、遠景は霞んでたし雲も多くて良かったとは言えないし。夏の登山の大変さを再確認した参考でもありました。
ただ良かった点もたくさんある。序盤は運がよければ滝雲も眺められるし、越後駒ヶ岳までの尾根道も遠くから見る分にはかっこいいし。中ノ岳までの稜線も美しく稜線美に溢れてる。それに意外と高山植物も多かったしね。ポテンシャルの高い山だなと思いました。
出来れば今度は涼しい時期にリベンジしたいなと思った山行でした。
おしまい
今回はメインの登山口である枝折峠から登ってきましたが、標高差は1000mに満たないものの道中は長く、標準コースタイムは往復で11時間強。まあコースタイムに関しては少し長めに設定してあるようで、実際は9~10時間程らしいですが。距離は14kmと割と長く、日帰りは出来るものの長丁場な登山が大いに予測されます。しかも梅雨が明けて夏の暑さも本格化。予想最高気温は35℃とかで、夏の暑さも心配でした。なので早朝から登って早めに下山する作戦。
という事で朝の4時30分頃の枝折峠。関越道小出ICを降りてすぐ国道352号に入り、国道とは思えない、登山口に向かう林道のような道を進んでいくと枝折峠に到着です。標高は1065m。駐車場は30台くらい停められるそうです。人気の山で週末は路駐も起きるんだとか。トイレ有り。電波は4Gが1本入るか入らないか、もしくは3Gかって感じでした(docomo)。
ちなみにこのまま352号を奥に進んでいくと、自分が先日登った燧ヶ岳の登山口である御池や檜枝岐の方に抜けれます。道路の看板にも尾瀬50kmとか出てます。この先の銀山平~御池まではものすごい山道で、すれ違いも難しい林道みたいな道が50kmほど続くみたいです。この区間は酷道としても有名みたいだし、落石等で通行止めになることもあるとか。通れるかどうかは事前に確認しておくのが吉ですな。舗装はされてるみたいなのでそこは安心。
4時半過ぎにトイレの裏手にある登山道から進んでいきます。登山届とポストもあります。序盤は割と平坦な道。ベンチもありますがこれは観光の人用です。理由は後述。
向かって左側には、奥只見湖のある場所に雲が溜まってる。
途中で出てくる崩壊地。歩けないことはないですが、歩きづらいことは確か。慎重に進む。
高山植物もそれなり。これはクロズルという花らしい。
ノリウツギ。アジサイの仲間なのかな?
ヨツバヒヨドリ。
歩き始めて10分程。溜まっていた薄雲が溢れて決壊。稜線を越えてきた。
そして滝雲として流れていく。そう、ここ枝折峠は滝雲がよく見られる場所として有名で、この日も多くの写真家の人が撮影に来てました。この日の滝雲はそこまで凄くはなかったみたいだけど。
こんな感じで滝雲が良く見られる場所に看板が立っています。興味のある人は枝折峠まで行ってみてはいかがでしょうか?滝雲は早朝によく見られるみたいです。
リョウブの花。
滝雲ビュースポットを過ぎれば本格的な登山道に。代わり映えのない樹林帯を進んでいくわけですが、もう既に暑い!気温は20℃そこそこながら湿度が高くて蒸し暑く、しかも風もないから熱がこもる。朝から汗だくだくです。
そしてそれ以上に困らせたのが虫。個人的には小さい虫ならまあ我慢が出来るんだけど、親指の第一関節位の大きさのアブに追い掛け回されるとちょっと困る。頭の後ろを延々と大きな羽音を立てながら飛び回るので、最初は蜂かと思ってびっくりしたわ!序盤から終盤までずっとそんな感じで、休憩しようものなら虫に襲われ逃げ回る。暑さも相まってヘットヘトでした。
時々こうして視界が開けます。前方に見えるは大きな山。距離もあるし、最初は中ノ岳かななんて思ってたんだけど、実はあれが目指す越後駒ヶ岳。もうね、遠すぎる!しかも雲がかかってるし・・・。
山頂までの距離に辟易しながらも進む。この白い花はコメツツジかな?
辺りが明るくなったなと思って振り返ると、御来光でした。そういえば山から御来光を見るのは久しぶり。正月の筑波山以来かな?綺麗な真ん丸太陽でした。
高山植物も意外と多い。上がトリアシショウマ、下はエゾアジサイかな?わからん。
モミジカラマツ。カラマツソウと似ててわかりにくい。葉っぱがモミジの形に似ているのがモミジカラマツだそうです。
ちょこちょことアップダウンのある道を経て、分岐に。左に行けば越後駒ヶ岳方面。右に行くと銀の道を通って駒の湯方面に。銀の道というのは、近くの銀山平温泉から駒の湯まで銀を運んだ道ということから銀の道と名付けられたみたいです。
分岐の脇には枝折大明神が祀られる祠が。十合目と書いてあるのは、銀山平温泉から駒の湯までの間の一番高い場所だったからとのこと。越後駒ヶ岳はまだまだ先です。
祠から少しだけ歩くと明神峠に出ます。見晴らしはなかなか。右には百名山の越後駒ヶ岳、左には二百名山の中ノ岳が。越後駒ヶ岳に行くには、手前の道行山と小倉山を経由することになりますが、ここから先は細かいアップダウンが続いて地味に体力を奪われます。
後方には明るくなってきた空とうっすら雲海。
左手に見える山が二百名山荒沢岳。銀山平から登っていけますが、かなりの急登で、しかも鎖場やハシゴが連続する登山道だそうです。一応一般ルートではあるみたいですが上級者向けとのこと。怖いもの見たさで登ってみたいけど、いざ登ってみたら後悔しそう(笑)。
越後駒ヶ岳にも太陽の日差しが届いてきた。淡い赤に染まって綺麗。雲もどこか行ってくれるといいんだけど。
相変わらずの樹林帯を進む。ここから小倉山までは樹林帯です。
分岐。左に行けば道行山ですが、ここはスルーで。道行山は展望がいいそうです。
まだまだ遠い山頂。この尾根筋をずっと歩いていきます。大変だ。
特に代わり映えのない道なので飛ばして小倉山山頂へ。駒の湯コースとはここで合流です。駒の湯から来ても標準コースタイムはほぼ変わらないけど、駒の湯は標高400mにもみたないので登りは大変そうです。
そこからまた省いて百草ノ池に。景色は代わり映えなく、暑いし風もないし虫も多い。休憩も出来なくてキツかった・・・。
見上げると結構登る。まずは左手の前駒まで!
ハアハア息を切らしながら前駒に。ここから山頂までは1時間くらい。ようやく登頂が現実的になってきて一安心。風も通るようになって気持ちよかったっけ。日差しはありますがここでようやくザックを下ろして休憩。虫もそこまでいなくて快適でした。トンボも多くなってきたしね。
越後駒ヶ岳と中ノ岳。まあ越後駒ヶ岳の山頂はもう少し右なんだけど(笑)。中ノ岳までの稜線もアップダウンが多くて大変そうだ。
高山植物も植生が変わってきたかな。これはアキノキリンソウ。
シロバナニガナ。
こちらはハナニガナ。シロバナニガナの花が黄色いものをハナニガナと言うそうです。
前駒を出発すると見えてくる人工物。駒の小屋のアンテナだけが下から見えてます。あそこまで行けばまた休憩できる。それを目標に進んでいきます。休憩した甲斐もあって足が軽かったっけ。
前駒を過ぎると出てくるのがこの岩場のトラバースもどき。ステップはしっかりしているので怖くはないですが、下山の時は歩きにくかったっけ。マーカーもついているのでその通り歩いていけば安全でしょう。
ニッコウキスゲ。最近の登山でよく見るお花。登山道にはほとんど咲いてはいませんでしたが、斜面には群生している場所もありました。
ロープもある岩場を登る。ロープは使わずに歩けますが、慣れてない人は頼りにしてもいいかも。濡れてると怖そうな岩場です。
タテヤマリンドウ。
後ろを振り返ってみると、歩いてきた前駒と遠くに荒沢岳。この日は気温も高く湿度も高かったので、遠景は霞に霞んでいました。
駒の小屋のアンテナもすぐそこに。最後の岩場を登ればすぐ!
そしてようやく駒の小屋に到着。時間は7時30分過ぎで、枝折峠から2時間弱でした。標準コースタイムより3時間以上早くの到着。コースタイムが甘いのもあるけど、一番の要因は虫に追い掛け回されて休憩もほぼ無しで登ってきたからだと思われます(笑)。いやホントにしんどかった・・・。
駒の小屋は避難小屋で、宿泊料は管理協力金として2000円です。週末を中心に管理人がいるみたいですがこの日は不在。避難小屋なので食事の提供などはないみたいです。トイレはバイオトイレで協力金100円。行ってみればわかるけど、なかなか面白いトイレです(笑)。
小屋の前にはテラスがあります。天気が良ければ展望も良さそう。この日は霞んでて景色は微妙でしたが。
小屋脇には水場が。おそらく雪渓の雪解け水を引いてきてるんだと思います。じゃぶじゃぶ出てるけど夏になると涸れるそうな。そうなると片道3分の水場まで行く事になるみたいです。水が出てるかどうかは要確認。この水は冷たくて手がかじかむくらいでした。ガブガブ飲んだっけ(笑)。
初めて見た白い花。調べてみたけどよくわからない。ホソバコゴメクサ、ですかね?
小屋から山頂まではコースタイムで30分。おそらくもう少し早くつくとは思います。荷物を軽くしたい人は小屋にザックをデポしていくのもいいと思います。山頂は右側の山です。
この辺りからキンコウカがたくさん咲いてます。まだ満開ではないのかな?
小屋を見下ろす。地図にはテントのマークはないですが、どうやらテント泊も出来るみたい。ヤマレコ等でもそういう記録もあるし、実際にこの日もテントが張ってありました。その辺も小屋に確認を取ったほうが良さげ。テントが張れてもテン場は狭く、張れても5帳くらいですかね。
斜面に咲く黄色がかった白色の花。
コバイケイソウの群生でした。去年が全国的にもコバイケイソウの当たり年だったので今年はそこまで咲かないのかもと思ってたけど、越後駒ヶ岳は綺麗に咲いていました。
稜線の向こうには中ノ岳。霞んでるなぁ。
雪渓の上には山頂の標識も見えてきた。長く感じた越後駒ヶ岳もあと少し!
イワイチョウ。
ハクサンコザクラ。なんだかんだ見るのは今年初だな。
稜線まで出てくれば山頂は目と鼻の先。
あそこまで行けば山頂です。ナナカマドとかあったから、紅葉時はこの稜線も赤く染まって綺麗なのかも。
そしてようやく越後駒ヶ岳の山頂に到着!とにかくつらかった・・・。到着は8時だったから枝折峠から約3時間20分でした。誰もいなかったし登れた達成感からか、標識脇の鐘を鳴らしまくってしまった(笑)。越後駒ヶ岳は日本百名山の山で、標高は2003m。別名魚沼駒ヶ岳。
北側には越後三山の一角・八海山。世間一般的にはお酒の名前として有名ですが、もちろんお酒の名前の由来となったのがこの八海山です。
その八海山というと、残念ながら雲が邪魔してよく見えない。山頂部は切り立った岩場で、垂直に近い鎖場が連続するみたい。行ってみたい山ではあるんだけど、やっぱり鎖場は怖くてねぇ(笑)。
そしてこっちは中ノ岳方面。こちらも雲が邪魔でよく見えず。天気は晴れてはいるけど、展望という意味では少し残念。尾瀬方面も霞んでて何も見えずだし。
こっちは魚沼市方面。遠くにはうっすらと日本海も見えてる・・・のか?中央にある白っぽい線はなんだ?雲の切れ間かな?
山頂はそこまで広くはないですが、ベンチがたくさんあって休憩はしやすいです。ただ問題はやはり虫。山頂着いた瞬間からトンボは異常な程飛んでたんだけど、やっぱりアブやらブヨだかが飛んでて参った。景色も霞んでて微妙だったので、休憩もほどほどに下山することに。残念。
駒の小屋まで下りようとすると、雪渓に何か動物が。最初はでっかい犬かと思ったけどこんなところに犬がいるわけないし。シカかなと思ったけど色がおかしいし、シカだったらもっとシュッとしてるし。よくよく見ると、なんとカモシカ。カモシカを見るのは初めてだったから嬉しかったなぁ。近づくと逃げて行っちゃったけど、時折振り返ってこっちを見てました。
カモシカに遭遇したあとは駒の小屋に戻ってまた水をがぶ飲みし(笑)、そこからはカメラも締まって無言の下山。前駒までの岩場は下山時は少し厄介なのと、下に行けば行くほど天気が悪くなっていって展望は無し。しかし気温は上がって暑く、樹林帯は風もなくて蒸し風呂状態。そしてやっぱり虫に追い掛け回される。すれ違う登山者はみんなつらそうだったなぁ。
そして10時50分、ようやく枝折峠に到着。色んな意味でしんどい登山だった。コースタイムは往復6時間10分とか。かなり早く歩けたけど、実際は虫が多すぎてろくに休憩もできなかったからだったりする。下山時はほぼ休憩なしだったし。もう勘弁してくれ・・・。駐車場にはでっかい蜂もいるし。散々だ。
今回の立ち寄り湯は銀山平温泉の白金の湯に。入浴料は650円。洗い場は少ないですが広々とした内湯と2種類の露天風呂があり、中も綺麗。露天風呂は若干ぬるめでこの時期でも露天風呂に入っても全然つらくなかったです。ちなみに入口の上の部分が露天です。食堂等はないものの休憩室は広く、自販機も多数あるしおやつの自販機もあります。登山後にゆっくり出来るいい温泉でした。入った時は受付の人以外に誰もいなくて、文字通り貸切だったしね(笑)。
まっすぐ帰っても良かったんだけど少し寄り道。銀山平から奥只見シルバーラインを通って奥只見ダムへ。レストハウスがあってダムカレーを食べました。お土産屋もあります。奥只見ダムは少し上にあるのでそこまで登って行きます。自分は100円払ってスロープカーに乗ったけど(笑)。
数分で奥只見ダムに到着。麓の方は晴れていて素晴らしい景観です。
ダムの天端。この真ん中から奥は福島県です。行けないけど。
天気も良くて景色もいいです。ダム湖である奥只見湖もとても大きくて、貯水量はあの黒部ダムを凌ぐほど。遊覧船もあって観光も楽しめます。紅葉の名所らしいし、秋にでも再訪したいところ。この時期は暑くてね(笑)。
高さもすっごい。日本で5番目に高いダムだそうです。ぷらっと周っただけだけど、意外とダム観光も楽しいなとか思ったり。ダムも山奥にあるから登山のついでに観光できそうだし、景色もいいしで意外と相性がいいかもね。
とそんな感じで緩く観光してから帰ったのでした。
これにて越後駒ヶ岳は終了です。道中は意外と長いし細かいアップダウンも多くて大変でした。夏の暑さにもやられたし、虫の多さにはさすがに参った。天気は基本晴れてはいたけど、遠景は霞んでたし雲も多くて良かったとは言えないし。夏の登山の大変さを再確認した参考でもありました。
ただ良かった点もたくさんある。序盤は運がよければ滝雲も眺められるし、越後駒ヶ岳までの尾根道も遠くから見る分にはかっこいいし。中ノ岳までの稜線も美しく稜線美に溢れてる。それに意外と高山植物も多かったしね。ポテンシャルの高い山だなと思いました。
出来れば今度は涼しい時期にリベンジしたいなと思った山行でした。
おしまい
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